投資環境レポート

ユーロ株式市場の動向:イタリア中心に調整も景気敏感株やバリュー株は回復傾向

2018年10月12日

足元のユーロ株式市場の動向

ユーロ株式市場は、9月末以降、イタリア財政赤字問題や米中貿易摩擦の長期化に対する懸念などから、変動幅を増大させつつ下落を強めています。

9月28日にイタリア政府が2019年の財政赤字目標を対GDP比2.4%に設定したことで、イタリア経済の先行きが不安視されたことや欧州連合(EU)との政治的摩擦が懸念されたことなどから、イタリア国債利回りは上昇、国債を多く保有する銀行を中心に、イタリア株式市場は大きく下落しました。

その後も、イタリアのポピュリスト連立政権内部における意見の不一致や一部政治家の不規則発言などを材料にユーロ株式市場は下落基調となりました。

10月10日には、米国金利の上昇や、米財務長官の中国元に関する発言もあって米中貿易摩擦の影響が改めて認識されたことを引き金に米国株式市場が急落したことを受けて、ユーロ株式市場も下落しました。リスク回避の動きは世界的に広がり、11日の米国株式も続落するなど影響が続きました。

 

 

回復の兆しを見せる景気敏感株やバリュー株

一方で、9月末までの数週間を見てみると、欧州の景気敏感株やバリュー株のパフォーマンスが改善をみせ、米国株式とのパフォーマンスの差も縮小しており、今後もこの傾向が持続すると考えています。

米国企業の業績成長はトランプ政権の減税策に拠るところが大きく、また、米国株式市場が堅調に推移する背景には総額約1兆米ドルにおよぶ自社株買いなどの影響がある一方、欧州では個人消費が好調であることなどを背景に、株式市場の回復が続くとみています。

通貨については、米国の好調な企業業績をはじめ、貿易摩擦や欧州政治の先行きに対する懸念などを背景に、欧州で総額約220億ユーロ規模*のミューチュアル・ファンドの解約などもあり、ドル高基調が続いています。 *出所:モーニングスター

年末に向けてユーロ株式市場の先行きを左右する主な要因としては、イタリア政治の他に、英国のEU離脱(ブレグジット)交渉が挙げられます。離脱交渉の行方を予想することは非常に困難ではあるものの、英国とEUの間で何らかの合意がなされる可能性が高いとみています。離脱交渉の結果は欧州市場全体に影響を及ぼすことが予想されるものの、欧州経済全体に対する影響は軽微であることから、その影響は短期的なものに留まると考えています。

今後の市場環境については、引き続き株価変動の大きい局面も想定されるものの、魅力ある割安な銘柄への投資機会を提供するものであると考えています。

 

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