投資環境レポート

年末に向けての欧州株式見通し

2018年10月9日

ローリー・ベイトマン

ローリー・ベイトマン

欧州(英国含む)株式ヘッド

2018年初来の欧州株式パフォーマンスは米国株式に劣後しているものの、年末に向けて欧州株式が米国に追いつく兆しも見え始めています。

欧州株式市場は2018年初来から我々が想定していた状況とは異なった市場展開が続いています。2018年9月末時点では、欧州株式の騰落率は年初来でほぼ横ばい(MSCI欧州株価指数、ユーロ・ベース、トータルリターン・ベース)となっており、同期間の米国株式市場が10%超上昇(MSCI米国株式指数、米ドル・ベース、トータルリターン・ベース)している状況とは異なります。

2018年の欧州株式については企業業績の拡大に合わせて堅調な相場展開を予想していましたが、これまでのところその現実には至っていません。

 

貿易摩擦懸念が欧州株式の上値を抑える展開に

欧州株式市場が年初来から伸び悩んでいる背景には、世界的な貿易戦争泥沼化懸念の影響から、企業業績の成長が当初の10[(程度から5) was not found]程度にまで下方修正されていることが挙げられます。

企業業績の下方修正は珍しいものではないものの、今回の修正は軽微に留まっており、貿易摩擦懸念をはじめイタリアやエマージング諸国における政治要因の影響に拠るところが大きいと考えています。

貿易摩擦懸念が世界経済の先行きに対して若干の影響を及ぼしてはいるものの、米国経済は堅調さを維持しており、ユーロ圏では個人消費が成長を後押ししています。米国10年国債利回りは3%を上回る水準にあり、物価上昇への期待と同様に企業活動や個人消費が堅調であることを示しています。欧州においても、景気先行指数であるサービス業PMIが引き続き堅調に推移しています。

 

 

製造業PMIについては関税の引き上げがエマージング諸国の需要に影響を与えていることを反映して若干弱含んでいると言えますが、米トランプ政権による通商・貿易政策が及ぼす潜在的な影響については既に市場で織り込まれているとみており、欧州域内経済のモメンタムも企業業績や株価を後押しするに充分なものであると考えています。

既に回復の兆しを見せる景気敏感株やバリュー株


足元ではここ数週間、欧州の景気敏感株やバリュー株のパフォーマンスが改善をみせており、米国株式とのパフォーマンスの差が縮小しており、今後もこの傾向が持続すると考えています。

米国企業の業績成長がトランプ政権の減税策に拠るところが大きく、また堅調な株価推移の背景には推定約1兆米ドルにおよぶ自社株買いなどの影響がある一方、欧州では個人消費が好調であることなどを背景に、株式市場の回復が続くとみています。

 

 

通貨については、米国の好調な企業業績をはじめ、貿易摩擦や欧州政治の先行きに対する懸念などを背景に、欧州で総額約220億ユーロ規模(モーニングスター社に拠る)のミューチュアル・ファンドの解約などもあり、ドル高基調が続いています。

年末に向けて市場の先行きを左右する主な要因の一つとしては英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉が挙げられます。離脱交渉の行方を予想することは非常に困難ではあるものの、英国とEUの間で何らかの合意がなされ、英国株式市場にとって良い結果になる可能性が高いとみています。離脱交渉の結果は欧州市場全体に影響を及ぼすことが予想されるものの、欧州経済全体に対する影響は軽微であることから、その影響は短期的なものに留まると考えています。

欧州株式市場においてここ数週間に亘り景気敏感株やバリュー株のパフォーマンスが改善をみせ、割高なディフェンシブ株離れがみられる状況は、今後の欧州株式市場にとって良い兆しであると考えています。

欧州株式のバリュエーションは、景気循環の影響を加味しても現在の株価水準は過去平均に比べて約20%割安であり、依然として魅力ある水準にあると考えています。これまで続いてきた米国株式との大幅なパフォーマンスの差も是正され始めています。

今後の市場環境については、引き続き株価変動の大きい局面も想定されるものの、魅力ある割安な銘柄への投資機会を提供するものであると考えています。

 

 

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