経済&市場見通し(定期)

マクロ経済見通し 2019年4月

シュローダーのエコノミスト・チームによる、マンスリー・マクロ経済見通し

2019年4月3日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

基本シナリオ
 世界

2019年の世界経済の成長率については2.8%、2020年は2.7%に減速すると見込んでいます(2018年は3.2%)。インフレ率についても2019年は2.4%、2020年は2.5%に低下すると見込んでいます(2018年は2.8%)。また、米中間の通商協議は、年半ばには合意に至ると考えていますが、これまでに取られた措置による実体経済への影響は2019年も引き続き残ると考えます。

 米国

2019年の米国経済の成長率は2.4%、2020年は1.6%に減速すると見込んでいます。米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派姿勢に転じたことから、さらなる利上げの実施は予想しておらず、景気刺激を企図した財政政策の効果が薄れ、経済が減速するのに伴い、FRBは2019年10月に量的引き締めを終了し、2020年には2回の利下げを実施するとみています。

 英国

2019年の英国経済の成長率は、1.1%に減速すると見込んでいます(2018年は1.4%)。ブレグジットを巡りEU単一市場と関税同盟が維持される移行期間に入る前に、EUとの離脱案が英国議会で可決されると想定した場合、2020年には経済成長率は1.5%に加速すると見込んでいます。またインフレ率については、通貨ポンド高の影響などから2019年は1.8%に低下することが見込まれるものの、2020年には2.4%に上昇するとみています。イングランド銀行(BOE)は、2019年に1回、2020年に2回の利上げを実施すると予想しています。

 ユーロ圏

2019年のユーロ圏経済の成長率は、米中貿易摩擦やブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)の影響から1.3%に減速すると見込んでいます(2018年は1.8%)。2019年のインフレ率については、2%以下で推移する見通しです。その中、欧州中央銀行(ECB)は、2020年に2回の利上げを実施し、2020年末までにリファイナンス金利を0.50%、中銀預金金利を0.00%に引き上げると予想しています。

 日本

2019年の日本経済の成長率は0.7%を見込んでいますが、今年10月には消費税増税が予定されており、増税に伴う消費の鈍化など経済活動への影響も予想されることから、2020年の成長率は0.4%を見込んでいます。日本銀行によるイールドカーブ・コントロールの調整は見込んでいませんが、インフレ率の上昇に伴い2020年末には政策金利を0%に引き上げると考えます。

 エマージング諸国

2019年のエマージング諸国経済の成長率は、4.5%に減速すると見込んでいますが(2018年は4.8%)、2020年については4.7%にやや回復する見通しです。BRIC諸国は総じて経済が堅調に推移しており、米中間の貿易摩擦など外的要因の影響を受けることは予想されるものの、2020年に向けて成長は続くと考えています。ただし、中国経済については米中貿易摩擦の緩和から恩恵を受けるものの、緩やかな減速が続くと予想しています。

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオを総括すると、デフレーション・シナリオの可能性が高いといえます。財政政策の効果が薄れるに伴い2020年に米国景気が後退するとする「2020年の米国景気後退」シナリオや、足元でみられる欧州や中国経済の減速から判断して「米国以外の景気後退」シナリオが挙げられます。



世界の実質GDP成長率見通し


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