経済&市場見通し(定期)

マクロ経済見通し 2018年6月

シュローダーのエコノミスト・チームによる、マンスリー・マクロ経済見通し

2018年6月4日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

基本シナリオ
 世界

2018年の世界経済成長見通しについては3.4%2017年は3.3%)、インフレ見通しについては2.7%2017年は2.3%)を見込んでいます。また2018年の米国コアインフレ率は2%を超える水準に回復する見通しで、世界経済は景気循環において拡大局面が続くと考えます。尚、2019年については、経済成長見通しは3.2%にやや減速、インフレ見通しは2.4%への低下を見込んでいます。

 米国

2018年の米国経済成長見通しは、トランプ大統領の財政面での景気刺激策の効果を加味し2.9%程度、2019年は2.6%を見込んでいます。米連邦準備制度理事会(FRB)は保有資産の縮小に着手しており、コアインフレ率が上昇する中、FRB2018年に4回、2019年に2回の利上げを実施し、政策金利を3.0%まで引き上げると予想しています。

 英国

2018年の英国経済成長見通しは、ブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)による不透明感が景況感の足かせとなり、1.4%に減速すると見込んでいます。インフレ率については、2017年に押し上げ要因となった英ポンド安の影響が薄れる一方、エネルギー価格や国内要因主導となることが見込まれることから2.6%程度にまでやや落ち着くとみています。なお、2019年の見通しについては、ブレグジットの影響から不透明であると考えていますが、移行期間は現状のEU単一市場と関税同盟が維持される形でEUと合意に達すると想定しています。尚、イングランド銀行(BOE英中央銀行)は2018年に1回、2019年に2回の利上げを実施すると予想しています。

 ユーロ圏

2018年のユーロ圏経済成長見通しは2.4%2019年は2.1%にやや減速することが見込まれますが、全体的に力強い経済が維持されると考えます。イタリアの政治リスクの再燃はボラティリティの上昇要因となるでしょう。インフレ率は2%以下で推移し、2018年はエネルギー価格の上昇、2019年はコアインフレ率の上昇が見込まれます。欧州中央銀行(ECB)は、20189月に量的緩和政策を終了する見通しで、2019年に利上げを開始し、リファイナンス金利を0.75%中銀預金金利を0.25%まで引き上げると予想しています。

 日本

2018年の日本経済成長見通しは、1.3%2017年は1.7%)を見込んでいます。インフレ率については、原油価格の上昇から2017年の2倍以上である1.2%に上昇すると予想しています。10年物国債の利回りを0%程度に誘導するイールドカーブ・コントロールの誘導目標は、201810-12月期に0%から0.1%に引き上げられると予想しています。

 エマージング諸国

エマージング諸国経済見通しに大きな変化はなく、2018年、2019年ともに5.0%程度を見込んでいます。中国の国内総生産(GDP)成長率については長期的に緩やかに減速するという見方を維持しますが、中国以外のBRICsの国々の回復が中国経済の減速を相殺すると考えます。

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオとしては、「インフレの加速」、「原油価格が100ドルまで上昇」、「世界的な保護主義の台頭」がもたらすスタグフレーション*・リスク・シナリオが挙げられます。また、「景気中盤の足踏み」や「経済の長期停滞」はデフレ・リスク・シナリオの要因となりますが、これらは「世界貿易の活発化」や主要国財政拡張」によるリフレーション**・リスク・シナリオにより相殺されると考えます

*スタグフレーション:景気後退と物価上昇が同時に起こること
**リフレーション:デフレーションからは脱したが、インフレーションには達していない状態
 

世界の実質GDP成長率見通し


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