経済&市場見通し(定期)

マクロ経済見通し 2018年1月

シュローダーのエコノミスト・チームによる、マンスリー・マクロ経済見通し

2018年01月10日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

基本シナリオ
 世界
2017年の世界の経済成長率は3.2%に達することが見込まれます(2016年は2.6%)。2018年の見通しについては3.3%、2019年には3.0%にやや減速する見通しです。一方で、2017年のインフレ見通しは2.3%で維持しており、2018年は2.4%、2019年には2.5%に上昇すると見込んでいます。2018年に米国のコアインフレ率は2%を超える水準に回復する見通しで、過度な過熱や冷え込みのない適度な相場環境(ゴルディロックス相場)は、リフレーション*が進行する経済環境へ変化していくでしょう。
 米国
米国の経済成長見通しは、2017年は2.2%、2018年は予想される財政面での景気刺激策の効果を加味し2.5%に引き上げています。米連邦準備制度理事会(FRB)は保有資産の縮小に着手しており、コアインフレ率が上昇する中で、FRBは2018年に3回、2019年に1回の利上げを実施し、政策金利を2.5%まで引き上げると予想しています。
 英国
英国の経済成長見通しは、2017年は1.5%、そして2018年はほぼ横ばいとなる見通しです。インフレ率は、2017年に大幅に上昇しましたが、2018年には2.2%程度にまで落ち着くと見通しています。2019年の見通しについては、ブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)の影響から不透明であると考えています。英国による単一市場への部分的なアクセスが認められる形でEUと合意に達すると想定していますが、その場合、英国は貿易面での混乱や、新たな関税の導入に伴うインフレ率の上昇に直面すると考えられます。尚、英国中央銀行(BOE)は2019年に2回の利上げを実施すると予想されます。
 ユーロ圏
ユーロ圏については、堅調なマクロ経済指標や政治リスクの後退を背景に、2017年は2.3%の経済成長を見込んでいます。2018年や2019年も引き続き力強い成長が見込まれ、ユーロ圏経済の生産余力は十分であることから、インフレ率も低く抑えられる状況が続くと予想しています。欧州中央銀行(ECB)は、政策金利の水準を据え置くとみられますが、2019年以降の利上げ実施を念頭に2018年から量的緩和の縮小を開始する意向を示しています。
 日本
日本については、財政政策の拡大と円安により、2017年は1.7%の経済成長、0.4%のインフレ率を見込んでいます。2018年は経済成長率が1.8%、インフレ率は0.9%となる見通しです。日本銀行(BOJ)によるさらなる利下げの実施は考えにくい状況です。一方、BOJは10年物国債の利回りを0%程度に誘導することなどを通じて物価安定目標の実現に努めているものの、物価水準が依然としてインフレ目標を下回る状況が続いていることから、量的・質的金融緩和をさらに強化する可能性があります。
 エマージング諸国
エマージング諸国経済については、インフレ率の落ち着きや利下げの実施により、2017年と2018年の経済成長見通しを5.0%に引き上げています。中国の持続的な経済成長に対する懸念は継続する見込みで、同国政府は2018年の経済成長目標を引き下げることが予想されます。
想定される他のシナリオ
基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオとしては、「経済の長期停滞」や「金利上昇・資金調達コスト上昇による停滞」がもたらすデフレ・リスク・シナリオをはじめ、「労働市場での需給ひっ迫」や「世界的な保護主義の台頭」がもたらすスタグフレーション**・リスク・シナリオ、「米財政出動の影響から世界的に成長が加速、資源価格の上昇や労働市場での需給ひっ迫からインフレ率が上昇し、金融当局が引締め姿勢を強化する」リフレーション・リスク・シナリオなどが挙げられます。また、「需要拡大に伴い企業が生産性向上を目的とした投資を拡大、結果として生産量が拡大、競争からインフレ率が抑制される状況」がもたらす生産性向上シナリオも考えられます。

*リフレーション:デフレーションからは脱したが、インフレーションには達していない状態。**スタグフレーション:景気後退と物価上昇が同時に起こること。

 

世界の実質GDP成長率見通し

世界経済成長率(前年比)と地域・国別寄与度(2018年1月2日時点)

 

 

 

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