シュローダー定期便

マクロ経済見通し 2017年11月

2017年11月02日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト兼ストラテジスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

シュローダーのエコノミクス・チームより、マクロ経済見通しのサマリーを お届けします。

基本シナリオ

【世界】
2017年の世界経済成長率は3.0%という見通しを維持する(2016年は2.6%)一方で、2017年のインフレ率見通しは2.4%から2.3%に引き下げています。安定成長と低インフレの継続は、今後も過熱しすぎず冷え込み過ぎないゴルディロックス相場(適温相場)が持続することを意味すると考えます。
【米国】
米国の経済成長率見通しは、2017年は2.0%、2018年は財政面での景気刺激が低減されたことを反映して若干引き下げています。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は、保有資産の縮小(量的引き締め)を開始しました。エコノミクス・チームでは、年末までにあと1回の利上げを予想しています。2018年については、インフレが抑制された状況が継続する可能性が高いことや、FRB議長の交代が見込まれていることを考慮すると、年半ばまではFRBの引き締めサイクルは一時中断されると考えます。その後、安定成長に加え、緩やかなコアインフレ率の上昇が確認されれば利上げを再開し、FRBは2018年末までに政策金利を2%に引き上げると予想します。
【英国】
英国の2017年の経済成長率は1.6%に減速する見通しです。英ポンドの下落がもたらすインフレ加速が、家計の可処分所得の減少を招き、支出の削減につながると考えます。設備投資はすでに弱含んでおり、雇用に影響を及ぼし始めています。こうした状況にもかかわらず、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は、11月に政策金利を0.50%に引き上げることが予想されています。しかし、この利上げは一度限りのものであると考えています。2018年の経済成長率は潜在成長率を下回る見通しであり、失業率の上昇が見込まれます。
【ユーロ圏】
ユーロ圏では、高水準の景況感指数と政治の先行き不透明感の緩和に伴い、2017年の経済成長率は2.1%に加速する見通しです。欧州中央銀行(ECB)は現在の政策金利の水準を維持すると考えますが、2018年には量的金融緩和政策の引き締めを開始すると予想します。(なお、10月26日のECB理事会で債券買い入れの規模を2018年1月から月額300億ユーロに半減すると決定されました。)
【日本】
日本は、財政政策の拡大と円安により、2017年の経済成長率見通しは1.6%、インフレ率見通しは0.5%としています。日本銀行がさらなる利下げを実施することは見込んでいません。ただ、物価水準がインフレ目標を下回っていることを考慮すると、日本銀行は「イールドカーブ・コントロール」を継続し、10年物国債金利を概ね0%に抑えていることもあり、量的・質的緩和をさらに強化する可能性があります。
【エマージング諸国】
エマージング諸国経済は、インフレの収束と利下げの実施により、2017年と2018年の経済成長率見通しを4.8%に引き上げています。中国の経済成長減速に対する懸念は継続する見込みで、中国政府は2018年に経済成長率の目標を引き下げると考えます。

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