2018年市場見通し

2018年市場見通し 日本株式

2017年12月27日

豊田 一弘

豊田 一弘

運用部 日本株式 ファンドマネジャー

堅調なマクロ経済環境

日本のマクロ経済指標は概ね堅調な内容となっており、直近で発表された2017年7-9月期の実質GDP2次速報は市場予想を上回って上方修正されました。約16年ぶりの7四半期連続のプラス成長となっています。足元では、10月の鉱工業生産が前月比+0.5%と小幅増産となり市場予想を下回りましたが、11-12月は電子部品などが牽引する強気の生産予測となっており、当面の生産は堅調推移を見込んでいます。生産に大きな影響を与える輸出ですが、日銀の発表した実質輸出によれば10月は前月比+2.6%となり、特にEU、中国での伸びが高くなっています。財別では、資本財が高い伸びを示しています。内需についても、設備投資が上向いており、生産性改善のためのIT投資などが2018年にかけても設備投資を牽引するものと見ています。個人消費については、実質消費支出が前年比横ばいで一進一退の動きとなっていますが、雇用環境のタイト化を背景に、緩やかな賃金上昇による消費支出の拡大も期待されます。

また、グローバルで見るとPMIは高い水準で推移しています。世界経済は今後も3%台の成長を維持すると見込まれ、国内景気は回復をリードしてきた輸出に加え内需の持ち直しにより緩やかな回復を続けるものと見ています。

企業業績の強さとバリュエーション

今年度上期の企業業績は市場の想定以上に良好な内容となり、今年度の会社計画も2桁の営業増益まで上方修正されています。企業の為替前提がやや保守的なことから、現在の為替水準を前提にした場合、更なる通期会社計画の上方修正が見込まれます。

株価バリュエーションに関しては、欧米先進国との比較で相対的には割安なレベルにあります。予想利益をベースとしたPER(株価収益率)については、欧州諸国とはほぼ同水準にありますが、米国に対して下回っています。2018年もグローバルに緩やかに景気が拡大するとの前提に立てば、日本企業の増益基調は継続し、現在の株価水準にはアップサイドが残るとの見方をとっています。

リスク要因

海外の株式市場、特に米国市場における高値警戒感は根強いものの、米国における大幅な法人税減税など株式市場にとってポジティブ材料が多いことも事実です。米国の経済政策や金融政策に対する注目は引き続き高く、逆に失望感が出た場合の市場でのネガティブ反応は大きくなる可能性があります。また、北朝鮮や中東情勢などの地政学リスクの高まりなどによって、一時的に市場が混乱し、為替が大きく変動する等市場のボラティリティーが拡大する可能性もあります。そうしたリスクオフの状況では円高になる傾向があり、日本企業の短期的な業績悪化懸念などから日本市場での下落リスクが高まる可能性があります。

ガバナンス改革の継続と市場トレンド

2014年の日本版スチュワードシップ・コード施行、2015年のコーポレートガバナンス・コード導入、そして2017年には日本版スチュワードシップ・コードの改訂がありました。こうした政策的な後押しを受けて、日本企業におけるコーポレートガバナンス改革は今後も深化を続けているとみています。例えば、社外取締役について言えば、一人か二人かといった数の議論から、どのようなスキルセットを持つ社外取締役が必要か、その機能発揮状況はどうか、という質の議論に移りつつあるのではないかと思います。

そして、そうした少数株主の利益を重視する姿勢が、実際に持合い株の解消や株主還元の積極化などにつながっています。自社株買いの拡大は、東京証券取引所が発表する投資家主体別の売買動向でも確認ができ、事業法人は継続的な買い主体となっています。こうした傾向は2018年にも継続するとみられ、日本株式市場の下支え要因となるとみています。


今後の日本株式市場は、個別企業の収益力が重視され銘柄間の格差がつきやすい情勢になるとみており、ボトムアップ・アプローチのアクティブ運用にとって望ましい市場環境であると考えています。

 

 

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