日本株運用者の視点

電気自動車の普及と投資へのインプリケーション

2017年11月10日

古谷 卓也

古谷 卓也

小型株チーム ファンドマネジャー兼アナリスト

昨今、急速に注目を集める電気自動車ですが、長期的な産業・企業に及ぼす影響や銘柄選択への関わり合いについて最近良く考えています。
まだ結論を出すのは時期尚早ですが、株式市場では早くも関連銘柄の悲観・楽観物色がくり広げられています。そもそも今回の電気自動車ブームは欧州に端を発したわけですが、これはディーゼルエンジンがクリアしなければいけない環境基準値の偽装行為がきっかけになったものであります。地球環境を考えた時に石油を含む化石燃料を燃やしてエネルギーを得る行為は基本的には減らしていかなければいけない事だと思います。伝統的な内燃機関を搭載した自動車を規制する考えをいくつもの国が表明しておりますので、電気自動車の普及を後おしすることは間違いないと思います。
その時にどういった影響を日本の産業に及ぼすか、そこに関連する企業の成長にどういった差がでるかは中期的な銘柄選択における重要なことであります。搭載量が増えるリチウムイオン電池はだれの目にも有望と思われます。しかし別の視点から有望な企業は多々あると考えています。
一つの例は軽量化です。軽量化は通常のエンジン車でも燃費改善に重要なことですが、電気自動車では特に重要になると思います。それは電気自動車の魅力を増すために走行距離をのばす必要があるのですが、それは同時に電池搭載量の増加から総重量が重くなる事につながるのです。従いまして、自動車がどういう方向に進もうとも自動車の軽量化につながる素材の成長性は高く、有望な銘柄選択の視点になると考えています。過去のリサーチからこういった分野にはニッチな小型株が多数存在しており、まだ市場に気づかれていない投資機会が存在していると考えています。もう一つの例はエンジン・トランスミッションといった電気自動車の普及によって明らかに悪影響を受ける産業、企業に対する洞察です。投資機会といった面では、過度な悲観論で形成された時にこういった企業群への投資妙味は存在すると考えます。特によい意味での危機感を備え、経営陣の洞察力、投資の戦略性などで秀でている会社はこれをテコに更に成長できる可能性がありますので、そういった企業を見つけるべくさらに努力していきたいと考えています。
 

本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

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